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住宅購入に「残価設定ローン」はあり?なし?

2026/7/9

齋藤 昌太郎

最近、自動車だけでなく、住宅にも「残価設定型ローン」という考え方が登場しています。

さらに、長期優良住宅など一定の条件を満たす住宅では、この仕組みを活用しやすくする取り組みも始まっています。

「月々の支払いが安くなるなら魅力的」
そう思われる方も多いかもしれません。

しかし、本当に自分に合った住宅ローンなのかは慎重に考える必要があります。


そもそも残価設定ローンとは?

残価設定ローンとは、将来の住宅価値(残価)をあらかじめ設定し、その金額を最後まで残した状態でローンを組む仕組みです。

つまり、住宅価格のすべてを返済するのではなく、一部を将来へ持ち越すことで、毎月の返済額を抑えられるのが特徴です。

例えば…

4,000万円の住宅を購入する場合

  • 住宅価格:4,000万円

  • 20年後の残価:1,000万円(例)

通常の住宅ローンなら4,000万円を返済しますが、残価設定ローンでは3,000万円分を返済し、残りの1,000万円は契約終了時まで据え置きます。

そのため、毎月の返済額は一般的な住宅ローンより少なくなります。

しかし、契約期間終了後には、この残価1,000万円について次のような選択をする必要があります。

  • 残価を一括で支払う

  • 新たにローンを組み直す

  • 家を売却して返済する

  • 契約条件に沿って引き渡す(商品による)

毎月の負担は軽くなりますが、「支払いがなくなる」のではなく、「将来へ先送りする仕組み」であることを理解しておくことが大切です。


なぜ国が推進しているの?

住宅は、多くの人にとって人生で最も大きな買い物です。

住宅が建てられると、建築会社だけでなく、住宅設備・家具・家電・外構・金融など、多くの業界にお金が流れ、日本経済にも大きな影響を与えます。

そのため国としても、住宅市場が活発に動くことを重要視しています。

しかし現在、日本では住宅取得件数が減少傾向にあります。

その大きな理由が、

  • 住宅価格の上昇

  • 建築費や資材価格の高騰

です。

「家は欲しいけれど、毎月の返済額が不安…」

そう考え、住宅購入を諦めたり、先送りしたりする方も増えています。

そこで注目されているのが残価設定ローンです。

住宅価格の一部を将来へ繰り延べることで毎月の返済額を抑え、住宅を購入しやすくすることを目的としています。

具体的には、

  • 毎月の返済負担を軽くする

  • より性能の高い住宅を取得しやすくする

  • 住宅市場を活性化する

こうした狙いから、近年注目されている新しい住宅ローンの仕組みです。


契約期間終了後には4つの選択肢がある

残価設定ローンでは、契約期間が終わった時点で、残していた「残価」をどう扱うかを選ぶ必要があります。

主な選択肢は次の4つです。

1. 一括返済して住宅を取得する
残価をまとめて返済し、そのまま自分の家として所有し続ける方法です。

2. 売却して家を手放す
住宅を売却し、売却代金で残価を精算する方法です。売却価格によっては差額が出る可能性があります。

3. 借り換えて住み続ける
残価部分を新たなローンに組み直し、引き続き同じ家に住み続ける方法です。

4. 賃貸へ移行して住み続ける
住宅を貸主側に引き渡し、家賃を支払いながら住み続ける方法です。

つまり、残価設定ローンは「月々の返済を抑えられる」一方で、契約終了時に改めて大きな判断が必要になるローンです。

将来の収入、家族構成、住み替えの可能性、住宅の資産価値まで含めて考えておくことが大切です。


メリット

・毎月の返済額を抑えられる
・ワンランク上の住宅を検討しやすい
・家計に余裕を持たせやすい

家づくりの選択肢が広がることは、大きなメリットと言えるでしょう。


ただし、知っておきたい注意点

一方で、メリットだけを見て判断するのはおすすめできません。

① 本当に価値は残るのか

将来の住宅価値は保証されるものではありません。

立地や建物の状態、市場環境によって評価は変わります。


② 利息負担が大きくなる可能性

残価部分にも金利がかかるため、通常の住宅ローンより総支払額が増えるケースもあります。

「月々が安い=総額も安い」
とは限りません。


③ 利用条件がある

残価を保証するため、

・定期的なメンテナンス
・住宅の維持管理
・契約条件の遵守

などが求められることがあります。

ライフスタイルによっては自由度が下がる可能性もあります。


④ 将来の選択が必要

契約期間終了時には、

・残価を一括返済する
・借り換える
・住宅を売却する
・その他契約条件に沿った方法を選ぶ

などの判断が必要になります。

その時の家計や住宅市場によって、負担が変わる可能性もあります。


向いている人

残価設定ローンは、

・20年前後で住み替えを考えている
・ライフスタイルの変化が想定される
・資産価値の高い立地を選ぶ

このような方には選択肢の一つになるでしょう。


OCTASEからのアドバイス

住宅ローンは「借りられる金額」ではなく、「無理なく返せる金額」で考えることが大切です。

一般的には、年間返済額を年収の20〜30%程度に抑えると、将来の教育費や老後資金とのバランスが取りやすいと言われています。

住宅ローンにはさまざまな商品があります。

毎月の返済額だけで判断するのではなく、20年後・30年後まで見据えた資金計画を立てることが、後悔しない家づくりにつながります。

OCTASEでは、土地・建物・住宅ローンまで含めたトータルの資金計画をご提案しています。

「このローンは本当に自分たちに合っているのかな?」

そんな疑問があれば、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

齋藤 昌太郎

  • 一級建築士

  • インテリアコーディネーター

家づくりは人生の大きな通過点です。だからこそ、一緒にお家づくりをして頂ける方々には心地よい豊かな空間で、これまでに経験のないワクワクをこれまで以上の楽しい人生を感じて頂けるような、そんな家づくりに努めます。
家づくりを是非楽しんでください。

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